推理小説の誤訳 (日経ビジネス人文庫 グリーン こ 7-1)
によって 古賀 正義
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推理小説の誤訳 (日経ビジネス人文庫 グリーン こ 7-1)の詳細
本のタイトル
推理小説の誤訳 (日経ビジネス人文庫 グリーン こ 7-1)
作者
古賀 正義
ISBN-10
4532194334
発売日
2008/2/1
カテゴリ
本
ファイルサイズ
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著者は1927年生まれの弁護士。アガサ・クリスティーとコナン・ドイル、そしてチェスタトンの著作のうち、日本語に翻訳出版された本を俎上にのせ、誤訳の数々を指摘していくという書です。1983年にサイマル出版界から上梓されたものを2008年に日経新聞社で文庫化したものです。400頁を越える紙数を使って、膨大な量の翻訳書から誤訳の事例を丹念に拾い上げています。なにしろ、福島正実、浅倉久志、深町真理子、加島祥造といった錚々たる著名翻訳者たちの訳文が、ここがまずい、あそこが間違っている、と容赦なく難じられていきます。その多くが、辞書さえ厭うことなくきちんと引いておけば誤訳のしようがないものだったり、中学高校の英語授業で普通に学べる文法項目の読み誤りだったりするので、始末が悪いのです。ポワロやホームズの多くが不完全な翻訳によって日本で紹介されてきたことが見えて、読んでいて怖くなりました。私は早川書房のSF翻訳を、上述した福島正実、浅倉久志によって相当数味わった口ですが、おそらく結構な箇所に渡って頓珍漢な訳を読まされていた可能性があると想像するのです。著者は法律の専門家だけに、英国の司法制度についての説明が大変参考になりました。アメリカのミステリーのほうになじみがあるだけに、私は今のいままで、英国には<検察官>がいないということを知りませんでした。著者曰く、英国には検察庁や検事といった制度がなく、また、警察でも尋問は行なわない。被疑者が自発的に供述すれば証拠になるが、そのような場合でさえ、日時の記憶違いを指摘して誤解を解くぐらいが限度で、追及的な尋問は一切してはならないことになっているとか。では訴追を担当するのは誰かというと、法廷弁護士(barrister)が務めるそうです。したがって、クリスティの小説に登場するthe Director of Public Prosecutionsは、法務長官の指揮のもとで重要事件について訴追を担当するbarristerで、「公訴局長」と翻訳するのが良い、というのが著者の言です。ただし、この本が書かれた後に英国にも検察庁が設置されたとか。あくまでポワロやホームズ時代のことのようです。最後に、著者によれば、誤訳の少ない有能な翻訳家は赤冬子氏と恩地三保子氏、綾川梓氏の三氏だということを付言しておきます。
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